【実地試験】2級土木施工管理技士の施工経験記述問題の攻略【作文】
2級土木施工管理技士の実地試験において、必ず記述することになっている「施工経験記述」について、具体的な攻略方法をここで解説します。
この施工経験記述をクリアできれば、合格がすぐそこまで近づくといっても過言ではありません。
なお、2級土木施工管理技士の学科試験及び実地試験については、当ブログで別記事にしておりますので、参考にして下さい。
2級土木施工管理技士の資格習得のための勉強法【初めての受験者へ】
2級土木施工管理技士の資格を取得すれば、業界にとって非常に価値の高い人材になることが可能です。なので、土木の道を進む方の多くにこの資格を習得して頂きたいです。ここでは、2級土木施工管理技士の資格習得の効率的な勉強方法について、実体験を元に解説します。なお、令和元年(2019年)は10月27日が試験日ですのでお忘れなく。
【注意】ここでは施工経験記述内容として、出題頻度がとても多い「安全管理・品質管理・工程管理・環境対策」の4つに限って解説します。毎年この4つのうちどれかが当てはまるため、ひとまずはこの4つを覚えておけばOKだと思います
なお、施工経験記述のうち、工事概要(工事名などの記載)は除外とします。
なぜなら、すでに個別に記事にしているためです。
工事概要についてはこちらをどうぞ
【土木施工管理】実地試験・施工経験記述問題の工事概要の書き方
2019年現在では、実地試験のうち施工体験記述問題そのものについては色々な情報が調べられるようになりました。ですが、工事概要(工事名や工期など)の書き方についてはそこまで多くない印象です。ここではそんな「工事概要」について、正しい書き方を解説します。なお、土木施工管理技士において1級も2級も共通の内容となります。
それでは早速、解説していきます。
この記事の内容
- 施工経験記述における共通の設問の確認
- 施工経験記述【安全管理】:労働者の安全が最優先
- 施工経験記述【品質管理】:品質を損なわないための対策
- 施工経験記述【工程管理】:工程調整・工程短縮
- 施工経験記述【環境対策】:公衆への配慮から考える
- 最終手段:通信教育を用いた施工体験記述の代行サービス
施工経験記述における共通の設問の確認
冒頭でも書きましたが、施工経験記述では、「安全管理・品質管理・工程管理・環境対策」のいずれかが出題されます。
この4種類は過去からずっと年分変わらないため、今後も変わらない可能性が高いです(※可能性がゼロとは限りません。)
参考:過去の出題傾向
- 品質管理・安全管理(平成30年・2018年)
- 安全管理・工程管理(平成29年・2017年)
- 安全管理・品質管理(平成28年・2016年)
- 品質管理・工程管理(平成27年・2015年)
- 安全管理・工程管理(平成26年・2014年)
- 品質管理・安全管理(平成25年・2013年)
- 品質管理・環境対策(平成24年・2012年)
- 工程管理・環境対策(平成23年・2011年)
- 安全管理・工程管理(平成22年・2010年)
安全管理・品質管理・工程管理・環境管理の4択はどれが出るかわかりませんが、変わらない物もあります。それは以下の通り。
に記述しなさい。
⑴ 具体的な現場状況と特に留意した技術的課題
⑵ 技術的課題を解決するために検討した項目と検討理由及び検討内容
⑶ 上記検討の結果,現場で実施した対応処置とその評価
上記の(1)〜(3)については、変わらず出題されています。つまり、安全・品質・工程・環境の4つについて、その内容を書けるようになれば合格の可能性はとても高まります。それでは、上記内容について細かく見ていきましょう。
具体的な現場状況
ご自身が取り上げる工事現場についての説明を求められています。ここで大事なのが、文章に具体性を持たせるということです。例えば先刻記載した5W1Hを取り入れたり、数値で表せることは数値化したり(例:高さ10m、長さ10m など)することが重要です。もしあなたがこれから書こうとしている内容が天候に左右されるようなものであれば、天気や季節などを盛り込むのも効果的でしょう。
特に留意した技術的課題
注意して欲しいのは、ここで検討結果や解決策を書かないことです。「留意した点」ということで、あなたを悩ませる原因となったものを書きましょう。
技術的課題を解決するために検討した項目と検討理由及び検討内容
ここで検討項目、内容、理由を書きます。検討の結果は書きません。あわてて書きすぎたり、不足したりしないよう注意して下さい。
上記検討の結果,現場で実施した対応処置とその評価
ここで結果を書きます。具体的に何をしたのか、どうしたのかを書きます。評価については、基本的に「うまくいった」「良かった」評価を書くと良いでしょう。悪い評価となったものは書かない方が良いと思います。
以上のような内容を踏まえ、安全管理・品質管理・工程管理・環境管理についてさらに見ていきましょう。
施工経験記述【安全管理】:労働者の安全が最優先
安全管理で大事なことは1つだけ、労働者が安全に作業できるために、何をしたかを書くだけです。
施工管理上、安全管理には毎日とても気を遣っていることと想定します。試験ではその内容を書けば良いだけなので、安全管理が出題された場合は比較的簡単と考えます。
難しいと感じる方は、「労働者が安全に作業できる」の逆を考えてみましょう。つまり、「安全に作業できない」のはどんな時でしょうか?
そして、自分の現場にどんな「労働災害の型」があったのか、思い浮かべてみましょう。そして、解消するために何をしてきたか、思い返して下さい。例えば、
- 掘削開口部の付近で仕事をする人が、開口部へ転落しないよう仮設柵を設けた
- 掘削床が深く、人が出入りするために、昇降器具を設けた
上記のとおり。「安全を確保するために、安全対策品を用いて物理的な対策を行っている」という点は説得力が増しますし、おすすめです。さらに、それらが上手く機能しているかどうか、「毎日点検して管理した」と付け加えれば最強です。
もっと追加点を狙うためには、危険箇所や安全対策品の具体性を数値化できると良いですね。
- 深さ3mの掘削開口部の付近で仕事をする人が、開口部へ転落しないよう高さ1.8mの仮設柵を設けた
- 掘削床が3mと深く、人が出入りするために、3m分の昇降器具を設けた
上記の通りです。より現場の風景が具体的になりましたね。
安全のためのミーティングやリスクアセスメントなんかも安全管理としては重要なことですが、現場のイメージを採点者に想像させるという点においてやや説得性に欠けるかも知れません。現場内の状況を想像でき、その危険の芽を摘み取るようなものが良いと思います。
施工経験記述【品質管理】:品質を損なわないための対策
土木工事の品質といえば、例えばコンクリートが挙げられます。例えば、以下の内容が品質に左右されるものと考えられるでしょう。
- コンクリート打設時の天気、気候、温度
- コンクリートの養生期間
- コンクリートの打込前の試験(スランプ等)
- コンクリート強度試験
- コンクリート型枠取り外し時の構造物損傷
上記の通りです。
土木工事において、天候や気候は品質に直結する場面が多く、書きやすいと思います。大雨で掘削作業はできませんし、鋼管杭の溶接もできません。無理に行うと安全もそうですが品質にも響きます。そういう状況の場合は、品質を確保するために良好な天候となる日まで順延したり、仮設を設けて天候に左右されない環境を構築したことと思います。その内容を書けばOKかと。
ここでも数値を用いて内容に具体性を持たせると最高です。
- コンクリート打設時の気温が0℃であったため、凍結しないよう養生マットを採用した
など。あなたの現場にもひとつくらい、天候に品質が左右されるものがあるかと思います。
もし天候に左右される物がないのであれば、あなたが行った品質検査の方法や器具、品質確保に対する教育内容などを思い返し文章化してみましょう。
施工経験記述【工程管理】:工程調整・工程短縮
工程管理で書きやすい点としては、何らかの努力によって工程を短縮したことかと考えます。例えば、
- コンクリート二次製品を用いて、現場打ちコンクリートの工期を短縮
など。例に出した二次製品の使用は、圧倒的に工期短縮になります。また、現場の天候にも左右されないため、実は品質管理的な要素もあります。
そしてやはりここでも数値を用いた具体性を意識しましょう。例えば、
- 幅1m長さ1mのボックスカルバート(コンクリート2次製品)を7m分用いたことで、現場工期が7日短縮された。
など。二次製品を用いた場合、そうではないときと比較してコスト的に合理性があるなどを書ければ最高ですね。
他には工程調整なども管理的な要素として認められます。同一現場に自社のみならず様々な会社が稼働している場合、工程調整は色々苦労されている都想定します。その時あなたが行った内容で効果的であった物は、工程管理として記載しても良いでしょう。
施工経験記述【環境対策】:公衆への配慮から考える
環境対策といえば、現場内のこともそうですが、公衆(一般市民)に迷惑をかけてしまう行為が何か、考えてみてください。
- 杭打ち機など重機で、騒音や振動が発生する
- ダンプトラック等、タイヤの泥が道路に付着する
- 建築物解体の際のくずが飛散する
など。
発生することで苦情に直結するものを、どう対策してきたか思い返してみてください。
例えば、
- 低騒音型の機械を使用する
- 公道へ出る直前に、タイヤを高圧洗浄機で洗う
- 隣接住宅に解体くずが飛散しないよう、シートで囲う
例えば上記の通り。参考にしてみてください。
最終手段:通信教育を用いた施工体験記述の代行サービス
必修問題の施工体験記述については、どうしても文章の得意・不得意が影響してしまいます。書くことに自信がない方は、通信講座を使用するのも一つの手です。
少ない時間の中、最大に効率を上げるには、やはりノウハウを知ったものの下で学ぶことかと考えます。
参考に、このようなサイトがありますので、紹介いたします。
このサービスを導入すると、実は必須問題である施工体験記述の悩みから解放されます。「実務に基づく施工体験記述」の代行サービスが存在するからです。あなたの経験をプロが聞き取り、あなたの経験に合った作文が作成されます。あとは、それを覚えればいいだけ。
確実な成果を求めるのであれば、このようなプロを頼るのも手だと考えます。文章を書く練習をしようと言いましたが、ぶっちゃけこのサービスで苦労せず合格への道がぐんと近づきます。
何回も不合格になりそうで不安…という自信のない方は、勉強時間とお金を何年も使い込むよりは、このような便利なサービスを利用した方が、試験費用もそうですが時間を有効に使えて良いことだと思います。試験日は1年間に1回しかなく、学科試験合格の有効期限は、合格した年を含め、2年しかありません。
勿論、選択問題の内容も、しっかりサポートしてくれます。宜しければ、ご検討ください。
2級土木施工管理技士 実地試験はあっという間にやってきます。
2019年10月の試験日は、あっという間にやってきます。まだ勉強時間があると思ってさぼっていると、後で痛い目に合うかもしれません。
できることを、できるうちから、早めに着手していきましょう。
実地試験、合格することを願っています。