【土木施工管理】実地試験・施工経験記述問題の工事概要の書き方

土木施工管理見習い「施工体験記述問題で作文を書く方法はなんとなくわかったが…工事概要で「工事現場における施工管理上のあなたの立場」とか書き方が意味不明すぎる。初見殺しなので助けてほしい!」
上記のようなお悩みは、ここで解決していきましょう!
土木施工管理施工体験記述問題における工事概要の書き方
まずは工事概要とは何かというところから解説します。過去の設問を確認してみましょう。
1.工事名
2.工事の内容
①発注者名
②工事場所
③工期
④主な工種
⑤施工量
3.工事現場における施工管理上のあなたの立場
上記の通りです。何となく簡単そうに見えて、いまいち解らないところもありませんか?
なお作文は上記内容を記載した後に記述欄があります。採点者はおそらくこの内容を一番最初に確認します。あまりに土木施工管理に適していない内容をここで書いてしまうと、以降の心象が悪くなること必至です。
第一印象はやはり大事ですので、ここをきちんと書いて、採点者の心を掴みましょう。
工事概要の書き方①:工事名
工事名で注意することは1つだけです。あなたの所属する会社が、「発注者から受けた工事名を書く」だけです。
当たり前のことなんですが、時たま以下のような場合もあります。
※「○○○○工事」という名前で契約。
↓
元請が下請けと契約を結ぶ。
※「○○○○工事のうち△△△△工事」という名前で契約。
この場合、あなたが元請の立場であれば、工事名は「○○○○工事」となります。
あなたが1次下請で元請から工事を請負った場合は、「○○○○工事のうち△△△△工事」となります。
なお、末端の「工事」まで、しっかり記入することが大事です。注文書などを確認し、正確な工事名を記入しましょう。
工事概要の書き方②:工事の内容
ここはそんなに難しくないと思います。誤字には注意しましょう。
発注者名
- あなたが発注者であれば、あなたの会社名を書きます。
- あなたが元請であれば、発注者の会社名を書きます。
- あなたが1次下請であれば、元請けの名前を書きます。
2次以降は、あなたがn次下請であれば、(n-1)次が発注者となります。
当然ですが、会社名は「株式会社」など含め、略することなく書いてください。また、その会社の部署までしっかり書くことが重要です。
- 正:株式会社ゼロ災ブログ 工事部 土木課
- 誤:株式会社ゼロ災ブログ
- 誤:(株)ゼロ災ブログ
- 誤:ゼロ災ブログ
前株か後株かも地味に重要です。しっかり書けるようにしておきましょう。
工事場所
ここでは、都道府県名から、土地の番地・号まで、漏らすことのないよう住所を書きましょう。
注文書などに、正確な住所が記載されているはずです。確認しましょう。
また、道路工事のように1つの住所では書けない場合は、その区間がわかるような書き方をすれば良いでしょう。
- 正:北海道札幌市中央区○条△丁目□番●号
- 誤:札幌市中央区○条△丁目
- 誤:北海道
- 誤:札幌市
工期
ここでは、年月日までしっかりと書きます。
年については西暦、和暦は問われないようですが、統一しましょう。そして、間違いのないように書きましょう。
- 正:2018年1月1日〜2019年7月31日
- 誤:2018年1月1日〜令和元年7月31日
- 誤:2018年1月〜2019年7月
主な工種
ここは少しわかりにくいかもしれません。実は、ヒントは「受験の手引き」にあったりします。お持ちですか?
もし捨ててしまった方がいらっしゃれば、ホームページからダウンロードしてみましょう。
下記にも該当ページの画像を紹介します。
ここに、工事種別と工事内容がありますね。このうち、
- あなたの職種と工事種別が一番近しいところを選ぶ
- 工種種別に該当する工事内容に一番近しいものを選択する
これでOKです。例としていくつか挙げてみます。
・道路工事で舗装作業をする人の場合
↓
工事内容=アスファルト舗装工
・発電所で基礎を作る人の場合
↓
工事内容=発電所設備コンクリート基礎工
・建築工事で杭打ちを行う人の場合
↓
工事内容=杭打ち工(PCぐい)
などです。ポイントは、工種なので「○○工」と、必ず「工」で終わることです。
施工量
その工事で発生した工量をそのまま書けばOKです。
- 掘削量○○㎥
- コンクリート打設量○○㎥
- 杭工 PC杭φ600×L=5m×20本
などです。発生したものについては回答スペースの限りたくさん書きましょう。
工事概要の書き方③:工事現場における施工管理上のあなたの立場
ここの良い例と悪い例については、受験の手引きに書いてあったりします。
現場代理人や工事主任と書いておくのが、採点者にとってもわかりやすいでしょう。
間違っても、会社でのあなたの肩書き(部長・課長・係長など)を書いてはいけません。その点は注意してくださいね。
施工体験記述問題のための工事選定
施工体験記述問題の工事概要の書き方についてはおわかりいただけたかと。
それでは次に重要なことを考えてみましょう。それは、「何の工事を選定するか」でしょう。
結論から言うと、今までの経験において、工期・施工量が多いものを可能な限り選定するべきです。小さな工事の積み重ねも勿論大事なのですが、施工管理者として大きな現場を経験していることは、採点者に対して大きなアピールポイントとなります。
- 工期が長い=工量も工事金額も膨れ上がり、大きな工事現場であると想定できる
- 施工量が多い=量を処理するため工期も工事金額も大きくなると想定できる
以上の通りです。つまり、工期と施工量は比例関係にあると言うことですね。
さらに、
施工量と工事金額
も、比例関係にあるとわかります。
あなた自身を「すごい工事を経験してきた」施工管理者とアピールしよう
実は、工事金額というのは重要なキーワードです。実際に金額を書く欄はありませんが、工期と施工量から、工事金額の大きい現場かそうではないかが予測できます。
実際の工事の施工管理は金額の大小に関わらずしっかり行うべきですが、自分の経歴を短い間に最大限アピールするとしたら、数値で表されるものは大きい方が良いに決まっています。
採点者のために文章を書くわけではありませんが、試験に合格するかどうかは良くも悪くも採点者次第です。
あなたが大きな現場で施工管理を行ったという実績を堂々と証明しましょう。
そうすることで、顔は見えずとも採点者はあなたのことを評価してくれるでしょう。得点の加点対象にはならないでしょうが、工事概要を見た断面で等級に相応しくない工事と判断されてしまったら、無意識のうちに文章を読みたくないという頭に切り替えさせてしまう恐れがあります。
なので、自分の経験上、最も大きな仕事を堂々と書くことをお勧めします。
【注意点】
いくら大きい工事といえど、あまり昔の工事ではないことが重要かと。
可能であれば3年以内、遠くても5〜7年以内の工事にするべきです。
受験する皆さんにとっても、あまりに昔のことを思い返すのは困難でしょうし、昔の基準と今の基準は施工面や安全面などで異なるところもあります。
その点を考慮の上、ご自身の経験上大きいものを選定してください。
土木施工管理技士 実地試験の施工経験記述について
以下のリンク先に、詳細を書いております。1級土木施工管理技士向けですが、も2級土木施工管理技士にも当てはまると思います。
1級土木施工管理技士の施工経験記述の攻略【採点者が認める書き方】
1級土木施工管理技士の実地試験のうち、施工経験記述=作文において、どのように書けば「採点者が合格と認める内容」となるかを解説します。大切なことは【記述テーマを守る】と【脳裏に具体的な情景を思い浮かばせる】ことの2点です。
土木施工管理技士 実地試験の通信講座
必修問題の施工体験記述については、どうしても文章の得意・不得意が影響してしまいます。書くことに自信がない方は、通信講座を使用するのも一つの手です。
少ない時間の中、最大に効率を上げるには、やはりノウハウを知ったものの下で学ぶことかと考えます。
参考に、このようなサイトがありますので、紹介いたします。
このサービスを導入すると、実は必須問題である施工体験記述の悩みから解放されます。「実務に基づく施工体験記述」の代行サービスが存在するからです。あなたの経験をプロが聞き取り、あなたの経験に合った作文が作成されます。あとは、それを覚えればいいだけ。
確実な成果を求めるのであれば、このようなプロを頼るのも手だと考えます。文章を書く練習をしようと言いましたが、ぶっちゃけこのサービスで苦労せず合格への道がぐんと近づきます。
何回も不合格になりそうで不安…という自信のない方は、勉強時間とお金を何年も使い込むよりは、このような便利なサービスを利用した方が、試験費用もそうですが時間を有効に使えて良いことだと思います。試験日は1年間に1回しかなく、学科試験合格の有効期限は、合格した年を含め、2年しかありません。
勿論、選択問題の内容も、しっかりサポートしてくれます。宜しければ、ご検討ください。
工事概要の記述は簡単なようで奥が深いです
ぱっと見簡単な「工事概要の書き方」ですが、工事の選定から勝負が始まっていることがわかりますね。
採点者は顔の見えないあなたのことを、どのような人なのか、文章から読み取ろうとしています。
工事概要は正確に書くのは勿論ですが、どうせなら採点者にいい印象を持たれたいですよね。このブログ記事を参考に、ちょっとでもモチベーションが高まってもらえれば幸いです。
参考記事
その他の1級土木施工管理技士の試験についても、記事にしております。
併せてご確認下さい。
1級土木施工管理技士の受験のすべて【申し込みから合格まで】
「1級土木施工管理技術検定試験」の受験において、より効率よく勉強を進めたり、要点をまとめ有益となる情報を提供できるよう、記事にしました。申し込みから合格までをすべて解説しています。学科試験も実地試験も、施工経験記述問題も、何も怖くありません。1級土木施工管理技士の受験と合格を目指す、すべての方へ本記事を捧げます。