Shoji

【技能試験】第一種電気工事士の候補問題No.10の解説【複線図・施工完成形】

電気工事士

第一種電気工事士の勉強を一通り終えた人「No.10まで一通りこなすと、なんだか自信がついたな。もう1周やってみるか!」

候補問題をNo.1からNo.10まで全部一通りやるだけで、合格率は段違いですよ。

候補問題に準じた技能試験となるため、候補問題を知ることは大きなアドバンテージとなります。

ここでは第一種電気工事士の資格に励む方のために、ここでは技能試験に合格するため、

  • 候補問題の確認
  • 過去問に準じた施工条件による問題例
  • 上記の複線図
  • 施工の注意点
  • 施工の概念図
  • 施工の完成形

上記の内容を解説・公開します。ぜひ学習にお役立て下さい。

ここでは、第一種電気工事士の技能試験のうち、候補問題および過去の技能試験のNo.10の複線図を描いてみます。

「簡単かつ簡素・的確に」回路を描けることを目標に、丁寧に解説しますので、最後までお付き合い下さいませ。
  • なお、解説者のショウジ(@jijitan85)は、第一種電気工事士を取得済みであり、実務でも電気に深く携わっています。電気工事士の試験回路についても熟知しています。

それでは早速、挑戦してみましょう!

第一種電気工事士の技能試験のうち候補問題No.10の複線図から施工完成形までの考え方

まずはじめに、候補問題No.10を確認します。

第一種電気工事士の技能試験の試験問題No.10

候補問題は上の図の通り、通常は単線(部品と部品の間は1本の線で結線されている)で示されています。

単線から複線にするにあたり、ここでは「より試験を見据えて」種々の条件を追加し、単線図を作成していきたいと思います。

技能試験の試験問題No.10と施工条件

直近の平成30年度に行われた技能試験を想定し、回路に様々な条件を与えてみます。

第一種電気工事士の技能試験の試験問題No.10の技能問題

第一種電気工事士の技能試験の試験問題No.10の施工条件

施工条件2より、VT・VCB補助接点及び表示灯の代用となる端子台は、以下の通り使用するよう指定されています。
第一種電気工事士の技能試験の試験問題No.10の内部配線2

施工条件3より、VT代用の端子台は以下の通り施工するよう指定されています。
第一種電気工事士の技能試験の試験問題No.10の内部配線1

施工条件4より、VCB開閉表示灯の接続は、以下の通り使用するよう指定されています。
第一種電気工事士の技能試験の試験問題No.10のランプ回路

以上の条件にて、複線図を考えてみましょう。

【注意】施工条件は必ず確認しましょう。どんなに見た目が美しく施工し終えたとしても、条件に反した施工をしていたら、不合格となります。また、実際の試験では過去問などとは施工条件が異なる可能性もあり得るため、必ず目を通して下さい。

技能試験の試験問題No.10の複線図

まずは結論からということで、複線図は以下の通りです。

第一種電気工事士の技能試験の試験問題No.10の複線図

なお、図中の水色の線は、電線の色指定なしを示します。

以下に、注意点をまとめます。

試験問題No.10の複線図の注意点

VTの代用端子台の使用方法について

  • 施工条件3をよく読みましょう。まず、配線は図面の通り実施します。電線の色指定も記載されているため、しっかり守りましょう。
  • なお、不足電圧継電器とは、施工省略箇所のアルファベットのUと書かれた場所のことです。施工条件3-③の通り、端子台の使用箇所をしっかり確認しましょう。

VCB補助接点と表示灯端子台について

施工条件4の回路をよく読み、この通り結線すると複線図の通りになります。文章にすると、下記の通りです。

  • VT代用端子台のT2のv(黒色)から、VCB補助接点代用端子台のa1に接続します。
  • VCB補助接点代用端子台のa1から、同じくVCB補助接点代用端子台のb1に接続します。ランプ回路図よりこの線は黒色指定です。
  • VCB補助接点代用端子台のa2から、表示灯端子台のa(赤ランプ)に接続します。
  • VCB補助接点代用端子台のb2から、表示灯端子台のb(緑ランプ)に接続します。
  • 表示灯端子台のcから、VT代用端子台のT2のu(白色)に接続します。

電圧計について

  • 電圧計は施工省略箇所のアルファベットのVの箇所です。電圧計は並列接続のため、複線図の通り、並列になるよう連結します。また、施工条件5から、T相・R相間に接続することになっています。

接地線について

  • 施工条件3-①から、VT代用のT1端子台のvに、接地線を接続します。

その他注意点

  • 施工条件8の通り、ジョイントボックス(アウトレットボックス)は打ち抜き済みの穴のみを使用しましょう。
  • 電線の接続には、リングスリーブを使用します。使用区分に注意しましょう。

参考:リングスリーブの選定方法

下の画像の通りです。
リングスリーブの組み合わせ

これらを守り、正しい複線図と施工条件に沿った構成の基礎知識を学びましょう。

こちらも候補問題No.8同様、回路から結線方法を読み取るスキルが必須となります。電線の行き先や結線方法をよく学習し、本番に臨みましょう。No.8の問題と合わせて学習すると効率的かもしれません。

施工条件と複線図をよく比較し、お互いが自分の中でリンクできるまで、よく学習を深めて下さいね。

第一種電気工事士の技能試験のうち候補問題No.10の概念図・施工完成形の確認

先ほどの複線図を、実際の施工に落とし込むと以下の通りになります。

試験問題(候補問題)No.10の概念図

以下の通りとなります。

第一種電気工事士の技能試験の試験問題No.10の概念図

試験問題(候補問題)No.10の施工完成形

以下の通りとなります。

第一種電気工事士の技能試験の試験問題No.10の施工完成形

概念図・施工完成形を確認すると、よりイメージが湧きやすくなります。ぜひ確認してみましょう。

その他の第一種電気工事士 候補問題・試験問題の複線図について

この問題を含め、全問解説しておりますのでご確認下さい。

【参考】第一種電気工事士の技能試験に向けての準備

候補問題(技能試験問題)の解説については以上となりますが、試験の参考書や必要な工具、通信教育について、これよりお知らせします。

必要に応じて、準備や導入をご検討ください。

第一種電気工事士 技能試験の参考書について

持っていない方は、1冊は目を通しておいた方が良いでしょう。
複線図についてというよりは、施工について(電線の切り方、ランプレセプタクルの施工方法など)のヒントが豊富なものが良いでしょう。

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第一種電気工事士 工具・材料について

下記の記事を参考にしてみてください。商品リンクも沢山ございます。

第一種電気工事士の通信教育で、確実に成果をモノにする

【第一種電気工事士 短期合格特別講座】
というものがあります。



  • 仕事が忙しく、短期集中で一気に学びたい
  • 一人だとわからないことを調べるのが大変なので、誰かに教えてもらいたい
  • 少しでも合格に近づきたい

もちろんテキストがついていますし、コースによっては、「工具や材料付き」というのもあるため、通信教育を受講する場合はご自身でそういったものを準備する必要がないのみ良いですね。

一見すると高くてびっくりするかもですが、電気工事士の資格、特に第一種は希少で価値が高く、電気工事士としての格も上がり仕事の需要も増え、受講する価値はあると考えます。

「電気工事で稼いでみる」という気持ちがあれば、初期投資と割り切り、利用するのも手です。

よろしければ、ご参考にしてみてください。



第一種電気工事士の技能試験に向けて、準備をしよう

  • 回路図と施工完成形を結びつける
  • 実際に手を動かし、施工をする技術を身に着ける
  • 道具、工具を手配する

上記3点を試験日までに遅延なく準備し、合格を目指しましょう。

試験日はあっという間にやってきますので、早めの勉強を心がけてくださいね。