Shoji

【技能試験】第一種電気工事士の候補問題No.8の解説【複線図・施工完成形】

電気工事士

第一種電気工事士を目指す人「仕事が終わってから勉強するのが辛いから、どうせ学ぶなら効率的にやりたい。インターネット上に試験問題や回路を確認できるページないかな」

上記のように、時間のない中で第一種電気工事士の資格に励む方のために、ここでは技能試験に合格するため、

  • 候補問題の確認
  • 過去問に準じた施工条件による問題例
  • 上記の複線図
  • 施工の注意点
  • 施工の概念図
  • 施工の完成形

上記の内容を解説・公開します。ぜひ学習にお役立て下さい。

ここでは、第一種電気工事士の技能試験のうち、候補問題および過去の技能試験のNo.8の複線図を描いてみます。

「簡単かつ簡素・的確に」回路を描けることを目標に、丁寧に解説しますので、最後までお付き合い下さいませ。
  • なお、解説者のショウジ(@jijitan85)は、第一種電気工事士を取得済みであり、実務でも電気に深く携わっています。電気工事士の試験回路についても熟知しています。

それでは早速、挑戦してみましょう!





第一種電気工事士の技能試験のうち候補問題No.8の複線図から施工完成形までの考え方

まずはじめに、候補問題No.8を確認します。

第一種電気工事士の技能試験の候補問題No.8

候補問題は上の図の通り、通常は単線(部品と部品の間は1本の線で結線されている)で示されています。

単線から複線にするにあたり、ここでは「より試験を見据えて」種々の条件を追加し、単線図を作成していきたいと思います。

技能試験の試験問題No.8と施工条件

直近の平成30年度に行われた技能試験を想定し、回路に様々な条件を与えてみます。

第一種電気工事士の技能試験の試験問題No.8の試験問題

第一種電気工事士の技能試験の試験問題No.8の施工条件

施工条件2より、変圧器の代用となる端子台は以下の通り使用するよう指定されています。
第一種電気工事士の技能試験の試験問題No.8の内部配線1

施工条件3より、電磁開閉器代用の端子台は、以下の通り使用するよう指定されています。
第一種電気工事士の技能試験の試験問題No.8の内部配線2

施工条件4より、制御回路の決線は、以下の通り図示されています。
第一種電気工事士の技能試験の試験問題No.8の試験問題の回路図

以上の条件にて、複線図を考えてみましょう。

【注意】施工条件は必ず確認しましょう。どんなに見た目が美しく施工し終えたとしても、条件に反した施工をしていたら、不合格となります。また、実際の試験では過去問などとは施工条件が異なる可能性もあり得るため、必ず目を通して下さい。

技能試験の試験問題No.8の複線図

まずは結論からということで、複線図は以下の通りです。

第一種電気工事士の技能試験の試験問題No.8の複線図

なお、図中の水色の線は、電線の色指定なしを示します。

以下に、注意点をまとめます。

試験問題No.8の複線図の注意点

変圧器二次側の配線について

  • 指定条件6-③から、u相に赤色、v相に白色、w相に黒色を接続します。

電磁開閉器代用の回路と端子台について

最初に制御回路図をみてみましょう。ここからわかることとして、以下の通りです。

  • 電源のRと押しボタンの入力を接続します。
  • 押しボタンのPBoffと端子台の13を接続します。
  • 押しボタンのPBonと端子台の14を接続します。
  • 端子台の14とA2を接続します。
  • 端子台のA1と95を接続します。
  • 電源のSと端子台の96を接続します。
  • ランプレセプタクルは、端子台のvとw間に接続します。

なお、各電線の色は、制御回路記載の通りとします。

なお熱動継電器とは、温度が高まると動作する継電器のことです。それのブレーク接点なので、「温度が高まると接点が外れる」という機能ですね。熱による回路保護を目的としているとわかります。

接地線について

  • 変圧器用の接地線はv端子に5.5sqを接続します。(接地側電線が白線の指定があるため)

その他注意点

  • 施工条件8の通り、ジョイントボックス(アウトレットボックス)は打ち抜き済みの穴のみを使用しましょう。
  • 電線の接続には、リングスリーブを使用します。使用区分に注意しましょう。

参考:リングスリーブの選定方法

下の画像の通りです。
リングスリーブの組み合わせ

これらを守り、正しい複線図と施工条件に沿った構成の基礎知識を学びましょう。

制御回路から決線方法を読み取ることが、合格へのカギです。そこまで難しくはありませんが、モタモタしていると施工時間が少なくなりますので、注意です。また、実際の施工では端子台の端子間電線の適正長さを確保するよう切り出しましょう。慌てていると長さが微妙に足りなくなることもありえない話ではありません。

施工条件と複線図をよく比較し、お互いが自分の中でリンクできるまで、よく学習を深めて下さいね。





第一種電気工事士の技能試験のうち候補問題No.8の概念図・施工完成形の確認

先ほどの複線図を、実際の施工に落とし込むと以下の通りになります。

試験問題(候補問題)No.8の概念図

以下の通りとなります。

第一種電気工事士の技能試験の試験問題No.8の概念図

試験問題(候補問題)No.8の施工完成形

以下の通りとなります。

第一種電気工事士の技能試験の試験問題No.8の施工完成形

概念図・施工完成形を確認すると、よりイメージが湧きやすくなります。ぜひ確認してみましょう。

その他の第一種電気工事士 候補問題・試験問題の複線図について

この問題を含め、全問解説しておりますのでご確認下さい。





【参考】第一種電気工事士の技能試験に向けての準備

候補問題(技能試験問題)の解説については以上となりますが、試験の参考書や必要な工具、通信教育について、これよりお知らせします。

必要に応じて、準備や導入をご検討ください。

第一種電気工事士 技能試験の参考書について

持っていない方は、1冊は目を通しておいた方が良いでしょう。
複線図についてというよりは、施工について(電線の切り方、ランプレセプタクルの施工方法など)のヒントが豊富なものが良いでしょう。

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第一種電気工事士 工具・材料について

下記の記事を参考にしてみてください。商品リンクも沢山ございます。

第一種電気工事士の通信教育で、確実に成果をモノにする

【第一種電気工事士 短期合格特別講座】
というものがあります。



  • 仕事が忙しく、短期集中で一気に学びたい
  • 一人だとわからないことを調べるのが大変なので、誰かに教えてもらいたい
  • 少しでも合格に近づきたい

もちろんテキストがついていますし、コースによっては、「工具や材料付き」というのもあるため、通信教育を受講する場合はご自身でそういったものを準備する必要がないのみ良いですね。

一見すると高くてびっくりするかもですが、電気工事士の資格、特に第一種は希少で価値が高く、電気工事士としての格も上がり仕事の需要も増え、受講する価値はあると考えます。

「電気工事で稼いでみる」という気持ちがあれば、初期投資と割り切り、利用するのも手です。

よろしければ、ご参考にしてみてください。



第一種電気工事士の技能試験に向けて、準備をしよう

  • 回路図と施工完成形を結びつける
  • 実際に手を動かし、施工をする技術を身に着ける
  • 道具、工具を手配する

上記3点を試験日までに遅延なく準備し、合格を目指しましょう。

試験日はあっという間にやってきますので、早めの勉強を心がけてくださいね。