建設業許可の有無を検索・確認する方法【ネットで虚偽を見抜く】

書類チェックする工事監督員「建設業許可証のコピーもらっているけれど、これって本当だよね?虚偽申請の話も聞いたことあるし、まさか嘘ついている業者はいないと思うが…どこかで調べられるのかな?」
このような心配性な方のために、情報提供です。
そもそもなぜ、建設業の許可にこだわるのでしょうか。
ここでは、その理由も含め、解説します。
本記事の内容
- 建設業の許可が必要な理由
- 建設業の許可の検索方法
建設業の許可が必要な理由
実は、建設業の許可がなくても、建設工事は着手可能です。
具体的に、解説します。
建設業の許可が不要なケース
建設工事の完成を請け負うことを営業するには、その工事が公共工事であるか民間工事であるかを問わず、建設業法第3条に基づき建設業の許可を受ける必要だあります。
ただし、「軽微な建設工事」のみを請け負って営業する場合には、必ずしも建設業の許可を受けなくてもよいこととされています。
「軽微な建設工事」について
- 建築一式工事については、工事1件の請負代金の額が1,500万円未満の工事または延べ面積が150㎡未満の木造住宅工事
・「木造」…建築基準法第2条第5号に定める主要構造部が木造であるもの
・「住宅」…住宅、共同住宅及び店舗等との併用住宅で、延べ面積が2分の1以上を居住の用に供するもの - 建築一式工事以外の建設工事については、工事1件の請負代金の額が500万円未満の工事
上記の条件に限っては、建設業の許可を必要としません。ただ、建設業会では下請工事でも1千万円を超える金額で受注されている企業も多くあります。
原則、受注金額が大きくなるほど利益も跳ね上がるため、利益追及するのであれば、いつまでも許可なしで小規模工事を回り続けるのは、辛いと思います。
建設業の許可が必要なケース
これまでの「許可が不要なケース」に当てはまらない場合は、全て必要です。
つまり、
- 建築一式工事については、工事1件の請負代金の額が1,500万円以上の工事または延べ面積が150㎡以上の木造住宅工事
- 建築一式工事以外の建設工事については、工事1件の請負代金の額が500万円以上の工事
このような工事を請け負う場合は、建設業の許可が必要です。
金額などの条件により、建設業許可の有無が必要・不要であるケースをしっかりと認識しましょう。
【参考】建設業の許可の区分
参考までに、建設業の許可は次に掲げる区分に従い、国土交通大臣または都道府県知事が許可を行っていることをお知らせしておきます。
- 国土交通大臣:2以上の都道府県の区域内に営業所を設けて営業しようとする場合
*本店の所在地を所管する地方整備局長等が許可を行います。 - 都道府県知事:1の都道府県の区域内のみに営業所を設けて営業しようとする場合
*営業所の所在地を管轄する都道府県知事が許可を行います。
詳細は、国土交通大臣のホームページにてご確認してみてください。
建設業の許可の検索方法
まず結論からということで、確認できるサイトを最初に紹介します。
ここでは本記事の「建設業の許可」に関して建設業者を含め、下記の業者について検索が可能です。
- 建設業者
- マンション管理業者
- 賃貸住宅管理業者
- 測量業者
- 保証コンサルタント
- 宅地建物取引業者
- 住宅宿泊管理業者
- 不動産鑑定業者
- 建設コンサルタント
- 地質調査業者
建設業者・宅建業者等企業情報検索システムの使い方
先ほど紹介した「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」のリンクにアクセス頂くと、下記のような画面が表記されます。
建設業の許可の検索をするには、「建設業者」をクリックします。
「建設業者」をクリックした後、下のような画面が表示されます。
ここに漢字やカタカナで調べたい業者名を入力し、検索するだけです。
使用例
建設といえばスーパーゼネコンの鹿島建設が思い浮かんだため、検索してみました。
本拠地である「主たる営業所」をクリックしてみると、以下の通り、各種データが開示されます。
上の画像の通り、「許可された建設業の種類」を検索で確認することができました。
ここで確認できるのは、主に以下の通り
- 許可番号
- 許可を受けた建設業の種類
- 許可年月と有効期間
- 保険加入状況
なお、さらに詳細な使用方法を知りたい場合は、マニュアルをご確認ください。
建設業の偽装は、たまにあります
例えば、下記の記事です。
秋田市の建設会社、許可書偽造し工事受注|秋田魁新報電子版
建設工事を受注する資格がないのに建設業許可通知書を偽造し、秋田県発注工事などを請け負ったとして、県は29日までに、光建設工業(秋田市御野場)を1年間の営業停止処分とした。期間は今月28日から来年8月…
このような業者がいると、発注者・元請確認がより一層厳しくなり、建設業全体として疑心暗鬼的な居心地の悪い空気がはびこることになりかねません。
偽装しないのが一番ですが、正しく確認し、適正な処分を行う必要があります。
偽装する方も、偽装とわかって使用する方も罰則があります
詳しくは後日記事にしますが、下記の通り
無許可業者の罰則
- 許可を受けないで建設業を営む者の不正行為等に対する監督処分要領第1第1項第3号により、原則として3日以上の営業停止処分となります。また建設業法第47条の規定に基づき、3年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処せられることになります。
無許可業者と契約した者に対する罰則
- 建設業者の不正行為等に対する監督処分要領第14条第6項により、原則として7日以上の営業停止処分となります.
お互い悲しい結果にしかならないため、「身を守る」為にも、建設業の許可の有無を確認し合うことは重要です。
本記事で紹介したツールを用いて、協力業者の建設業の許可の有無について、検索してみると良いかもしれませんね。