建設業法施行規則による、施工体制台帳の構成内容・必要書類について

法令

前回の記事で、建設業法に記載されている施工体制台帳の定義について確認しました。


(※未読の方は、ご覧いただけましたら、建設業法のどの部分に施工体制台帳について書かれているかをご確認いただけます。)

さて、今回はこの記事続きとなります。

建設業法に、施工体制台帳の記載があることまではご確認いただけたと思いますので、そこから先の話としまして、重要な点、施工体制台帳を構成する内容について解説します。

建設業法の解釈を広げる、建設業法施行令・建設業法施行規則

電球の背後に文字を書いているシーン

施工体制台帳の内容をお話しする前に、最初に、法令の体系について少し解説します。施工体制台帳にも関わります。

建設業法の法体系(建設業法・建設業法施行令・建設業法施行規則)

まずはじめに、法令に関わる事項として、建設業法には解釈を広げる、建設業法施行令・建設業法施行規則というものが存在することをお伝えします。

あくまで法律の範囲内でその解釈を広げることができる法体系があるということです。つまりは、

法律→政令(施行令)→省令(施行規則)

という法体系で、法律では深く解説していなところやわかりにくいところを、さらに定義しているということです。建設業法でいうと、

建設業法→建設業法施行令→建設業法施行規則

という体系が構成されています。そのことを、頭の片隅に入れておいてください。

建設業法そのものには、施工体制台帳の構成内容が明記されていない

実は、上記の通りです。ではどこに書いてあるの?ということになりますね。それが、先程記載した「建設業法の法体系」に関連します。

建設業法施行規則に、施工体制作成内容が明記されています。

結論から伝えますが、建設業法施行規則に答えがあります。

建設業法施行規則全文については、ネットでいつでも確認することができます。
こちら(電子政府の総合窓口 e-Gov)で全文を確認できます。

早速ですが、建設業法施行規則 第十四条の二を確認してみましょう。

(施工体制台帳の記載事項等)「法第二十四条の七第一項の国土交通省令で定める事項は、次のとおりとする。」
※建設業法施行規則 第十四条の二 より引用

と明記されています。前回記事を見て頂いた方であれば覚えて頂いているかと思っておりますが、ここでの「法(建設業法)第二十四条の七第一項」とは、施工体制台帳の作成指示についての内容でした。

その記事について、併せてご確認ください。

建設業法施行規則における、施工体制台帳の構成内容

さて、次からは本題の施工体制の構成内容についてです。

「建設業法施行規則 第十四条の二」の内容

先程お話に挙げた「建設業法施行規則 第十四条の二」を更に読み進めると、求めるものが書かれてあります。すべてを読み進めると疲れますし、沢山あるので、ここでは分割しながら簡単な言葉で解説していきますね。

施工体制台帳の書類内容その1:作成建設業者に関する内容について

作成建設業者とは、平たく言えば元請のことです。自社が元請ならば、該当します。

下記の点を網羅できていればOKです。

  • 許可を受けて営む建設業の種類
  • 健康保険等の加入状況(年金や雇用保険の番号を記載)

施工体制台帳の書類内容その2:作成建設業者が請け負った建設工事に関する事項

施工体制台帳は、工事現場ごとに作成するため、工事内容について書くのは当然のことです。下記の点を網羅できていればOKです。

  • 建設工事の名称、内容、工期
  • 発注者と請負契約を締結した年月日、
  • 発注者の商号、名称または氏名及び住所並びに当該請負契約を締結した営業所の名称及び所在地
  • 発注者が監督員を置く場合、当該監督員の氏名、併せて発注者に対する意見の申出の方法
  • 作成建設業者が現場代理人を置く場合、当該現場代理人の氏名、併せて該現場代理人の権限に関する事項及び当該現場代理人の行為についての注文者の請負人に対する意見の申出の方法
  • 主任技術者又は監理技術者の氏名、その者が有する主任技術者資格または監理技術者資格、その者が専任か非専任であるか
  • 主任技術者又は監理技術者以外のものを置くときは、その者の氏名、その者が管理をつかさどる建設工事の内容及びその有する主任技術者資格
  • 一号特定技能外国人、外国人技能実習生、外国人建設就労者の従事の状況

この点は文章にするとちょっと難しいですね。最後に適正な記入用紙についてお話ししますので、そちらを使用して頂ければOKです。

施工体制台帳の書類内容その3:下請負人に関する事項

元請の下、さらにその下…という一次以下の下請構造のすべての会社に当てはまります。

元請ではない会社はここに相当します。下記の点を網羅できていればOKです。

  • 商号又は名称及び住所当該下請負人が建設業者であるときは、その者の許可番号及びその請け負つた建設工事に係る許可を受けた建設業の種類
  • 当該下請負人が建設業者であるときは、許可を受けた建設業の種類と許可番号
  • 健康保険等の加入状況

施工体制台帳の書類内容その4:下請負人が請け負った建設工事に関する事項

作成建設業者とほぼ同様です。下記の点を網羅できていればOKです。

  • 建設工事の名称、内容、工期
  • 注文者と請負契約を締結した年月日、
  • 注文者が監督員を置く場合、当該監督員の氏名、併せて発注者に対する意見の申出の方法
  • 当該請負契約を締結した注文者の営業所の名称及び所在地
  • 当該下請負人が現場代理人を置く場合、当該現場代理人の氏名、併せて該現場代理人の権限に関する事項及び当該現場代理人の行為についての注文者の請負人に対する意見の申出の方法
  • 主任技術者又は監理技術者の氏名、その者が有する主任技術者資格または監理技術者資格、その者が専任か非専任であるか
  • 主任技術者又は監理技術者以外のものを置くときは、その者の氏名、その者が管理をつかさどる建設工事の内容及びその有する主任技術者資格
  • 一号特定技能外国人、外国人技能実習生、外国人建設就労者の従事の状況

施工体制台帳の書類内容その5:その他必要書類

「建設業法施行規則 第十四条の二」には、併せて下記の通り書かれております。

2 施工体制台帳には、次に掲げる書類を添付しなければならない。
一 前項第二号ロの請負契約及び同項第四号ロの下請契約に係る法第十九条第一項及び第二項の規定による書面の写し(作成建設業者が注文者となつた下請契約以外の下請契約であつて、公共工事(入札契約適正化法第二条第二項に規定する公共工事をいう。第十四条の四第三項において同じ。)以外の建設工事について締結されるものに係るものにあつては、請負代金の額に係る部分を除く。)
前項第二号ヘに規定する者を置くときは、その者が主任技術者資格を有することを証する書面及びその者が作成建設業者に雇用期間を特に限定することなく雇用されている者であることを証する書面又はこれらの写し
建設業法施行規則 第十四条の二 より引用

注文書により工事が契約されている証拠書類を揃え、主任技術者または監理技術者が、会社にちゃんと雇われていますよ!という意味合いで、書類を添付しなさいということです。

「とりあえず誰でもいいから名前書けばいいや」とは済まないということですね。何をもって証明するかということですが、証明として手っ取り早いのは、会社から個人に配布される健康保険証がベターでしょう。個人名、会社名がしっかり書かれており、雇用関係がないと発行できないものでもあるため、間違いないです。



施工体制台帳の様式について

インターネットの世界に、施工体制台帳の様式はごろごろ転がっています。拾って作成して頂いても良いと思いますが、中には様式が古いのもあるため、注意が必要です。

施工体制台帳の様式変更・2019年4月時点

過去記事にも書きましたが、2019年4月1日付で、施工体制台帳の様式が変更となっております。

国土交通省の関連ページに、最新版の様式がありますので、それをダウンロードして使用するのが間違いないです。
» 国土交通省のサイトはこちらからどうぞ

お時間がありましたら、今までに網羅した内容を振り返りながら、試しに記入してみてください。

理解度がぐっと深まること間違いなしです。そして1度は作成すると忘れにくくなるものです。

本記事のまとめ

最後に、ここで取り上げた内容を下記の通りまとめます。

  • 建設業法施行規則に、施工体制台帳の内容が記載されている
  • 発注者・元請間と、元請・下請間で交わす書類は異なる
  • 本記事「施工体制台帳の構成内容について」に記載されている内容を一冊にまとめ、施工体制台帳とする
  • 主任技術者または監理技術者と会社の関係を証明する書類を添付する
  • 施工体制台帳のひな型があるので、それに準じて作成すれば、ここで紹介した内容は網羅されるため便利である

以上の通りとなります。

建設業法施行規則に準じ、施工体制台帳を作成しよう

「建設業法(施行規則も含めて)で定められている施工体制台帳というものはこのようなものなんだ!」ということを少しでもご理解いただけましたら幸いです。

施工体制台帳の様式は何気なく使っているかもしれませんが、実は、建設業法施行規則で書かれた内容に準じて書類が構成されています。

作成する書類は法に基づき作成されるという点をお忘れなく。少しずつ、実務だけではなく法令に関する知識も身に着け、安心安全な施工を継続しましょう!

今回はここで終了です。読んで下さり有難うございました。

※法令等について詳しく学びたい方は、書籍がおすすめです。

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