施工体制台帳にある「事業所の雇用保険番号」の書き方・調べ方
施工体制台帳にて、工事を行う会社は、社会保険加入状況の記載事項を明確にする必要があると法令で定まりました。
施工体制台帳に必要な内容は、健康保険・厚生年金保険・雇用保険の3点です。
作成に慣れている方であればすでにご存知かもしれませんが、これから作成しようとしている方については、どこで調べて、どう書けば良いのかわからない方もいらっしゃるかもしれません。
ここでは、施工体制台帳に記載する雇用保険の番号の記載方法について解説します。
本記事でわかること
- 事業所の雇用保険を記載する理由
- 施工体制台帳に記載する事業所の社会保険内容
- 雇用保険番号の調べ方
- 労働保険番号でもOK・その調べ方
- 施工体制台帳に記載する事業所の雇用保険番号欄の書き方
事業所の雇用保険番号を記載する理由
そもそも、なぜ雇用保険番号を記載しなくてはならないのでしょうか。建設とは異なりますが、解説します。
社員が1人でもいたら、適用事業の扱いとなります
社員が1人でもいたら、適用事業となるため、事業主は雇用保険に加入する必要があります。
なお、適用事業とは、
一人でも労働者を雇用している。事業が行われている限り、労災保険又は雇用保険の保険関係が成立する事業
とされています。
雇用保険加入の手続きを完了すると、事業所(会社)は雇用保険の適用されている証明書を貰うことができます。その書面に、会社毎に異なる「雇用保険番号
」が記載されています。
雇用保険の加入は、雇用保険法に基づくものであり、原則無視することはできません。
よって、法に反することをしていないことを確認するために、施工体制台帳には雇用保険番号が記載が必要となります。
※社会保険と施工体制台帳については、別記事でまとめております。宜しければご参考にしてください。
施工体制台帳で社会保険の加入状況を確認する理由【未加入はNG】
施工体制台帳で社会保険加入状況を確認する理由をご存知ですか?その理由を解説します。2012年(平成24年)に建設業法施行規則が改正され、施工体制台帳に社会保険の加入状況を明記することが必須となりました。2019年(令和元年)では社会保険未加入の会社はほぼいないと思いますが、ゼロではないかもしれません。
施工体制台帳と事業所の雇用保険番号
施工体制台帳に記載する必要がある、事業所の社会保険内容について、まずは確認してみましょう。
施工体制台帳の様式のうち、上の表の通り、「事業所整理記号等」→「雇用保険」に雇用保険の番号を記入する欄があります。
ここに、記載すればOKです。
事業所の雇用保険番号の調べ方
「記入すればOK」と言ったはいいものの、大半の方は、ご存知ないかと思います。なので、調べ方を解説します。
基本的に、一般的な従業員は何を調べればよいのかわからないと思います。一番確実なのは、労務管理を行う部門に問い合わせることでしょう。
もしかしたら、会社によっては労務管理ではなく、総務に相当する部署かもしれません。とにかく、雇用に関する部門であればOKだと思います。
大抵は、「雇用保険番号を知りたい」と問い合わせれば、すぐに答えが出ることと思います。もし、窓口の方もわからなそうであれば、
- 適用事業所台帳(雇用保険適用事業所設置届事業主控)
- 雇用保険被保険者資格取得届等確認通知書(事業主通知用)
に記載されているから、その控えの書類を調べて欲しいと伝えてあげればOKかと。上記の様式には、雇用保険に関する事業所番号が明記されてあります。
なお、雇用保険の番号(事業所番号)は4桁ー6桁ー1桁
の計11桁で構成されており、各数字には意味があります。
雇用保険番号の意味
最初の4桁
ハローワークの場所を表します。0101(北海道・札幌)~4705(沖縄・八重山)まであります。
中央の6桁
ハローワーク内で振り分けられた管理番号となります。
最後の1桁
チェックデジットと呼ばれる、入力誤りなどを検出するための検査番号です。
雇用保険番号のみならず、事業所の労働保険番号でもOK
労働保険とは、労災保険と雇用保険の総称です。この番号があるということは雇用保険も含まれているため、OKです。調べやすい方、わかりやすい方を記入しましょう。この番号は、
- 過去の労働保険の概算・確定保険料申告書
- 労災保険申請書
- 労働保険の年度更新申告書
などに記載されています。
なお、雇用保険の番号(事業所番号)は2桁+1桁+2桁+6桁+3桁の14桁
のの計14桁、5つの区分で構成されており、各数字には意味があります。
労働保険番号の意味
例えば、労働保険番号をAA-B-CC-DDDDDD-EEE
とすると、
- Aの2桁 府県コード
- Bの1桁 所掌
- Cの2桁 管轄
- Dの6桁 基幹番号
- Eの3桁 枝番号
となります。覚える必要はないと思いますが、参考にしてください。
施工体制台帳に記載する事業所の雇用保険番号欄の書き方
もう一度、様式を見てみましょう。
画像内で言うところの「雇用保険」の箇所に、保険番号を記載するだけです。
特に難しいことはありません。書類を見つけて、番号さえわかれば問題ありませんね。
施工体制台帳の元請契約・下請契約の違いについて
記載欄には元請契約・下請契約の2種類があります。これは、仕事をお客様と契約したのは本店で、支店などに仕事を振った場合などに適用されます。
- 発注者・元請間は本店で契約した
- 諸般の事情で本単が支店に仕事を振り、元請・1次下請間の契約箇所が発注者・元請間とは異なってしまった。
等のケースで使い分けます。
雇用保険番号は本店・支店で異なる場合もあるため、確認しましょう。もし違っていたら、別々に記載します。
変更ない場合、元請契約のところに雇用保険番号を記入し、下請契約のところには「同上」と書いておきましょう。
といったところで、今回のテーマ、施工体制台帳に記載する事業所の雇用保険番号の記載方法を終了します。
雇用保険番号は決まりものなので、記載されている書類等の名前や保管場所がわかれば、すぐわかるかと思います。