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日焼け止めの性能と成分の解説【SPFとPA・紫外線吸収剤と散乱剤】

美容・健康

夏がもうすぐそこまで来ています。

みなさん、日焼け止めを使っていますか?
私は仕事でもプライベートでも使っています。

以前、日焼け止めの重要性について、記事にしました。

本日はその内容の補足として、日焼け止めの性能と、その成分について、さらに深く解説していきます。

特に男性は、日焼け止めがどんな性能を持っているのか、その中から何を選べばいいのかわからないという方が多いのではないでしょうか。私も最初はそうでした。

日焼け止めと言ってもいろんなメーカーから、いろんな性能のものが発売されています。

例えば上記のようなもの。
ドラッグストアに行っても数がたくさんあると何を買えばいいのかわからなくなってしまいますよね。

そういう迷いをなくすためにも、本記事を是非お読みいただければ幸いです。
読み終わったあと、日焼けについていっそう詳しくなれます。

日焼けと紫外線の関係【赤くなる・黒くなる・UVAとUVB】

日焼け止めのアネッサ
日焼け止めの基本性能は、紫外線から身体を守ることです。

日焼けの定義

木陰で休む人

日陰で休む人「紫外線って何だ…?日焼け止め使わなくても、太陽にあたらなければ日焼けしないんじゃないの?」

上記のように考える方がいらっしゃるかと思いますが、結論から言うとNGです。

日焼けとは、皮膚が紫外線を浴びることにより、炎症が起きたり、黒く色素沈着することです。

この紫外線、太陽光にも含まれています。

なお、紫外線は人間の五感で検知できるものではありません。なので、「あ、紫外線だ」と気づくことはまずありません。

晴れていなくても、紫外線に注意

厄介なことに、晴れ空ではなくても、曇りの日でも雨の日でも、日中は紫外線は地上に降り注ぎます。

直射日光を浴びる環境ではないからと、安心しきってはいけません。
晴れていなくても、日焼け止め対策は必須です。

また、日陰にいるからといって、紫外線から完全に守られているわけではありません。

色んなものに当たって散乱した光がどこから自分のもとへ届くかはわかりません。

日焼け・紫外線には2種類ある【リスク多し】

日焼けの種類は大きく2つあり、下記の通り。

  • 皮膚が赤く炎症を起こす:サンバーン(Sunburn)
  • 皮膚が黒く色素沈着する:サンタン(Sun tannning)

多くの人は、日焼けの影響で皮膚が熱を持ち、ヒリヒリと痛んだ経験があるかと思います。
また、肌が黒くなった経験もあるかと思います。

どちらも紫外線が皮膚に影響を与えた結果なのですが、実はその紫外線も2種類に分けられます。

  • UVA:紫外線A波
  • UVB:紫外線B波

上記の通り、AとBの2種類があります。

実は紫外線C波というのもあるのですが、地球のオゾン層で減衰され地上までは届かないとされるため、ここではあえて割愛します。

UVAの影響

皮膚の表面を突き抜け、体の奥にある真皮という層まで届く紫外線です。

体の内部からDNAを破壊したり、シワやたるみなどの肌老化の原因となります。また、サンタンの原因でもあります。

UVBの影響

皮膚表面の細胞を破壊したり、毛細血管を拡張させ充血を起こし皮膚を赤くさせます。

照射量が多いと体が防御しきれなくなり、炎症や痛みが起きます。いわゆる、サンバーンの原因です。サンタンの原因でもあります。

また、紫外線量が多くなりすぎると、シミやそばかす、皮膚がんを引き起こすリスクが増えます。

紫外線のUVA・UVBの二刀流で、皮膚表面だけではなく、内部から破壊されている状態なので、がんをはじめ、身体への悪影響を引き起こすと言われても納得感がありますね。

日焼けは極力、しない方が良いですね。

日焼け止め対策をしよう

ここまでで、日焼けの種類と日焼けのリスクについて概要がおわかりいただけたかと思います。

日焼けは、百害あって一利なしです。

ちょっとくらい日に焼けた方がカッコいいという価値観もあるかもですが、焼けた色でも元の色でもモテる人はモテるし、モテない人はモテないものです。

むしろ、美肌の方がモテる(清潔感という意味から、性別問わず好感をもたれるという意味)時代です。

人生を長期間にわたって、肌トラブルなく生き抜くことを考えましょう。

そのためには、何はともあれ日焼け止めです。

次からは、そんな日焼け止めについて、解説していきます。

日焼け止めの性能【SPFとPAと紫外線の関係】

婦人に日焼け止めを塗ってもらう少年
まず最初に、市販されている日焼け止めがどんな性能を持っているのか、見極める方法を解説します。

日焼け止めの性能【SPFとPA】

日焼け止めのボトルなどに、SPF・PAという表記があり、その横に何らかの数字や+(プラス)の記号が書かれてあるかと思います。

例えば、

  • SPF30
  • PA++

など。

日焼け止めを使う前に、このSPFとPAとは何か、知っておきたいですね。

SPFとは

Sun Protection Factor(サン・プロテクション・ファクター)の略でSPFです。

簡単にいうと、あなたが日焼けによって「肌が赤くなる時間」をX倍に遅らせる数値となります。

SPF30であれば、あなたの日焼け時間を30倍遅らせることが可能となります。

ちょっと難しい話ですが、紫外線B波(UVB)を予防する指針になります。
シミ・ソバカスの原因のため、予防すべきですね。

PAとは

Protection Grade of UVA(プロテクション・グレード・オブ・UVA)の略でPAです。

簡単にいうと、あなたが日焼けによって「黒斑ができてしまう時間」を遅らせる能力です。

PAの後の+(プラス)が多いほど、日焼け止めとしての能力値が高いということになります。

UVA(紫外線A波)は前述の通り、肌老化の原因となります。これも予防すべきですね。

SPFとPAと日焼け止めの関係

前述の通り、SPFとPAは高ければ高いほど、日焼け止めとしての性能も高いとわかります。

一般に能力が高いと肌への負担も多いと思われているようです。一昔前はそうだったかもしれませんが、近頃のアイテムは数値が高くても肌負担が少ないものも増えている様子。

ただしすべての商品がそうとは限らないため、肌への負担を極力減らしたい場合は、数値を少なめなものを用いるのも悪くない選択肢だと思います。

値より塗り直しが大事

いくらSPF・PAの値が大きいからと言って、朝に1度だけ塗れば良いというわけではありません。

なぜなら、汗などで日焼け止めの効果が徐々に薄れていくからです。

値が大きいものを1度使って終わりとするより、値が小さくても定期的に塗り直しした方が効果が持続します。

日焼け止めを使用する場合は、塗り直しを念頭に入れておきましょう。

日焼け止めの成分【紫外線吸収剤・紫外線散乱剤】

足に日焼け止めを塗る人

日焼け止めは性能(SPF・PA)だけではなく、どんな成分で構成されているかも重要です。

なにせ、肌に直接塗布するものですからね。

紫外線吸収剤と紫外線散乱剤

日焼け止めは別名、紫外線防止剤とも呼ばれています。

紫外線防止剤の性質で、日焼け止めは大きく2種類に分けられます。

  • 紫外線吸収剤
  • 紫外線散乱剤

それぞれの特徴やメリット・デメリットについて、みていきましょう。

紫外線吸収剤

紫外線吸収剤は、日焼け止めの成分自体が紫外線を吸収し、肌に紫外線を通さないものです。

特徴としては、下記の通り。

  • 透明で白浮きしないものもある
  • 紫外線防止効果が高い
  • 水や汗に強いものが多い
  • 肌の中に薬品成分が取り込まれることがある
  • 紫外線吸収剤自体が肌に刺激や湿疹を与えることがある

紫外線吸収剤は、製品によっては含まれている「オキシベンゾン」や「オクチノキサート」という成分が海洋生物やサンゴ礁に悪影響を与えているという事例もあり、あまりいい印象はありませんね。

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紫外線吸収剤タイプを否定するわけではありませんが、「紫外線吸収剤フリー(ノンケミカル)」が今は主流な気がします。

それが、次に紹介する紫外線散乱剤タイプです。

紫外線散乱剤

紫外線吸収剤は、日焼け止めの成分が紫外線を散乱させ、肌に紫外線を通さないものです。

特徴としては、下記の通り。

  • 紫外線吸収剤タイプに比べて肌に優しい
  • 比較的白浮きしやすい
  • 現在の世の中の主流

紫外線散乱剤のタイプは、赤ちゃんにも使って良いものもあり、それだけ肌への負担が緩和されたものが多いです。

また、紫外線吸収剤とは異なり、使用制限の場所は特にありません。

そういった理由からも、紫外線散乱剤の方が安心して使えるという方が多いのではないでしょうか。

なお、紫外線吸収剤タイプを全否定するわけではありません。汗や水に強かったり、白浮きがより少なかったり、SPF・PAが高めのものが多いというのは事実です。

ご自身の肌に合うかどうか、どういった用途で使いたいのか、塗り直しの頻度はどれくらいなのかなどを総合的に考慮のうえ、どちらのタイプがより的しているのかを判断してください。

日焼け止めを有効活用しよう

日焼け止めを有効活用できれば、遠い将来、肌トラブルのリスクを大きく回避できる可能性が高いです。

この記事をお読みいただいた皆様には、「日焼けは百害あって一利なし」を合言葉に、末長く美肌を保ち続けていただけることを願わずにはいられません。

仕事にプライベートに日焼け止めを有効活用して、この夏のみならず年がら年中紫外線とは無縁の生活を手に入れましょう。