労働者の疲労蓄積度チェックリストの紹介【過労とストレスを確認】

疲れて休んでいる人「仕事つらたん…。休んでも休んだ気がしない気がする。疲れ取れているのかな?」
そういった人は是非、本記事で取り上げるものをお試しを。
「労働者の疲労蓄積度チェックリスト」というものです。
仕事から帰ってきて家で休んでいても、これまでに蓄積された疲れが心身に悪影響を与えている可能性は大です。
まずはご自身の状態を確認するのが最優先です。自分の身は自分でしか守れません。是非、チェックしてみてください。
この記事でわかること
- 労働者の疲労蓄積度チェックリストの概要と使い方
- 労働者の疲労蓄積度チェックリストの結果と対策
労働者の疲労蓄積度チェックリストの概要と使い方
まずはこのチェックリストが作成される前の背景を確認してみましょう。
労働者の疲労蓄積度チェックリストの概要
平成14年2月に「過重労働による健康障害防止のための総合対策」が策定されました。
この対策では時間外・休日労働の削減と、一定時間以上の時間外・休日労働を行わせた場合の健康管理措置の徹底について、周知を図っています。
事業者は職場において、労働者に極力疲労を蓄積させないよう措置を講じることが第一義的に求められますが、労働者自身も自らの疲労度を把握・自覚し、積極的に自己の健康管理を行うことも大切です。
そのような中、平成16年6月、過重労働による健康障害を防止するため、働く人それぞれの疲労蓄積度を判定するためのチェックリストとして、
- 労働者本人による自己診断のためのチェックリスト
- ご家族により労働者の疲労蓄積度を判定できるチェックリスト
が作成され、公表されています。
つまり、このチェックリストを用いて自分自身の健康状態をまずは把握してみるという、健康管理の第一歩としてのチェックリストということになりますね。
労働者の疲労蓄積度チェックリストの内容
それでは、そのチェックリストとはどのようなものなのか、内容を確認してみましょう。
厚生労働省のホームページから確認するのも良いのですが、さらにわかりやすいものとして、中央労働災害防止教会(中災防)さまのサイトに特集が組まれていますのでご紹介します。
リンク先では労働者用と家族用という、2種類があるのがお分かりいただけるかと。どのようなことなのか、簡単に説明すると、
- 労働者用:自分自身でチェックする内容
- 家族用:家族を始め、第三者視点(=客観的な目線)でチェックされる内容
となります。自分で自分の疲労蓄積度合いを確認する時は。「労働者用」を使用します。
配偶者や子供、親など身近な人にあなたを評価してもらう場合は、「家族用」を使用します。
ややこしいかもしれませんが、実際にシートを見ていただければ、ご理解頂けるかと。
まずは「習うより慣れろ」ということで、使ってみましょう。
労働者の疲労蓄積度チェックリストの結果と対策
というわけで、チェックリストを使用してみました。
疲労蓄積度チェックリスト(労働者用)
先ほどのリンク先にあるシートを回答します。
Web上でチェックボタンを選択しながら回答するタイプもありますし、PDFタイプでご自身で印刷し使用するタイプもあります。
どちらを使用しても問題ありません。私はWebチェックタイプを選択しました。
チェックリストの設問
なお、質問内容は下記の通り。
- イライラする
- 不安だ
- 落ち着かない
- ゆううつだ
- よく眠れない
- 体の調子が悪い
- 物事に集中できない
- することに間違いが多い
- 仕事中、強い眠気に襲われる
- やる気が出ない
- へとへとだ(運動後を除く)
- 朝、起きた時、ぐったりした疲れを感じる
- 以前とくらべて、疲れやすい
- 1か月の時間外労働
- 不規則な勤務(予定の変更、突然の仕事)
- 出張に伴う負担(頻度・拘束時間・時差など)
- 深夜勤務に伴う負担(注1)
- 休憩・仮眠の時間数及び施設
- 仕事についての精神的負担
- 仕事についての身体的負担
これらの設問に、程度の度合い3パターンのうちのいずれかを選択していきます。
チェックリストの結果発表
回答漏れの無いよう注意し、データを送信すると結果が発表されます。
ここに、回答結果を表示してみます。
疲労蓄積度チェックリストの結果
仕事による負担度点数表
負担度による点数
かなり、疲労蓄積していました。
あくまでこれは一例ですので、皆様も独自にチャレンジしてみてください。
家族用もやってみました
家族の協力にて、回答してみた結果がこちらです
家族による疲労蓄積度チェックリストの総合判定
負担度による点数(家族用)
まあまあ疲労蓄積していると見られているようですね。家族には迷惑かけられません。自分の働き方を見直す必要がありますね。
チェックリストの結果から見る今後の対策
まずは疲労が多く溜まっていると判断された方は、以下のことを真剣に考えてみましょう。
- 自分でできる範囲で改善できそうなことをやってみる
- 職場の上司や労務管理部門へ相談する
- 産業医と面談してみる
上記の通りです。
【注意】
自分でできることに関しては限界があります。無理しない範囲でできることだけでOKです。他者へ相談して、緩和できないかを模索したほうが良いでしょう。
相談した内容は記録に残そう
相談しても何も変わらない…といったときに、どういう約束をしたのかを書面で取り交わしておくと、後々あなたを守ってくれるかもしれません。
改善しない事業所は、罰則の対象となる可能性あり
労働基準法や労働安全衛生などでは、例えば長時間労働の上限などが決められています。守られていない場合は、勤務時間など明確にできるものを準備のうえ、労働基準監督署などに相談すると良いでしょう。業務でPCを使用しているならば、PC起動時間・シャットダウン時間は効果的ですね。
疲労を蓄積しすぎないために
疲労を蓄積しすぎないためには、適度に体を動かしておくことです。運動をするのも良いでしょう。もしかしたら、余計に疲れると感じる人もいるかもしれません。
ですが、適度な運動は身体の血行を良くし、気持ちよく汗をかくことでストレス緩和にもつながります。頭もスッキリしたりします。加えて健康的な体を取り戻すことも可能です。
疲労は溜まりすぎると除去が難しいです。なので、溜まりきる前に適度な運動をしたり、ストレス解消になる何か(趣味など)をする必要があります。
そのためにも、今回紹介したチェックリストを使用してみて、まずはご自身の状態を確認してみることをお勧めします。
参考:長時間労働と健康障害の関係性
上の表の通り、長時間労働は健康を損なう可能性がとても高いです。皆様が心身ともに健康で、働きがいのある職場でご活躍されることを願っています。