【救急】職場から病院までルートを確認し、緊急時に備えよう【安全対策】
皆様お疲れ様です。>今月は全国安全週間の準備月間ということもあり、安全に関する内容を今回も書きたいと思います。
今回は、実際に自分の現場(建設現場)で行っているもののうち、一つを紹介します。建設現場での取り組みですが、どの職場でも応用可能ですので、宜しければ最後まで見てください。
さて、最初に取組み内容の紹介ですが、「緊急病院ルートマップ」の作成となります。
正確に言うと「安全」というよりは、災害が起きてしまったあとの行動・対処法についての取組みとなりますが、広い意味で安全の一環として括って、「安全」の取組みとさせていただきます。
「緊急病院ルートマップ」を作成し、緊急時に速やかに対応できるようにしよう
私が携わる建設業では、会社の中というよりは、それぞれが担当する工事現場で働くことが多いです。
毎回会社の近くの現場というわけでもなく、時には遠方に出張に行くことも多いです。そして、自分の会社だけではなく、下請会社も同様に、なじみの町とは異なる場所から来てもらうこともあります。
そのような、土地勘のないものたちが集まる現場が時には出来上がります。
さて、そのような環境で、万が一現場で労働災害が起き、救急車をはじめ関係各所に連絡する必要があるとしたら?と考えたとき、救急車・消防は119、警察は110という便利な3桁が存在しますが、被災者が実際に収容された後は、現場と病院で直接やり取りすることとなります。
また、山奥など、人里離れた建設現場では、救急車を待っているより現場の者が直接被災者を搬送する方が早い場合もあります。人命救助は早さがカギなところもあるので、悠長に救急車を待っていられません。
よって、その病院の位置、電話番号、現場からのルートおよび所要時間の目安をあらかじめ知っておくこと。それが重要であると考え、作成に至りました。
勿論、土地勘のない場所だけではなく、自分が住む町の現場に携わったとしても、このルートマップは有効であると考えます。なぜなら、緊急時は冷静に物事を判断する余裕があるとは限らず、このような資料ひとつあれば、心に余裕が出来ると思うからです。
実際に作成した「緊急病院ルートマップ例」の紹介
作成例がこちらになります。北海道の一番大きな都市、札幌の一部を例にしております。
私の現場では、A3用紙に印刷し、職場の全員が見えるところに張っています。
2019年現在、出発地点と到着地点をGoogleMapで打込むと、自動的に経路が青色で表示されます。大抵は一発目で表示されたルートが最短で到着になるはずです。
現場の位置、病院の位置をちょっと目立たせてあげ、画像を用紙に取り込みます。
(ここでは黄色にて目立たせてあります)
なお、このデータそのものは、オフラインでの共有化が簡素化されるよう、エクセルの形式で保存しています。
緊急時、これがあれば、誰でも、現場から病院へたどり着くことができるはずです。
今時、カーナビや地図アプリも充実していますが…
病院への行き先表示は、勿論カーナビ等で行っても良いのですが、建設現場に携わる人は高齢者も多く、カーナビやスマホの地図アプリを得手としていない方も多く居るという現状があります。
また、通勤車にカーナビが無いこともありますし、いくら緊急とはいえど、運転中のスマホいじりはNGです。
なので緊急時に、オフラインでもすぐに持っていけるこの掲示物は効果があると考えています。
作成物に対する、第三者からの評価や、その効果について
実際に現場に緊急病院ルートマップを掲示すると、安全パトロール等で高評価を頂ける事が多いです。このようなものをなかなか見ないという方が多いですね。私自身、確かに他ではあまり見かけないと考えています。なので、他の現場とひとつ差がつく取組みとなるかと考えています。
今の時代、建設現場でも独自の取組みを求められたり、評価されたりすることが増えた気がします。技術的に秀でた優秀な管理員ももちろん求められますが、このような安全に対する意識の高い管理員も同じくらいか、それ以上に高い評価をもらえるはずです。とくに最近は、労働災害や品質不良はとにかく厳しく見られますからね。
さて、このような安全意識向上をテーマに運営する私の工事現場ですが、おかげさまでゼロ災が継続されております。
なので、実はこの緊急病院ルートマップを、緊急で用いたことがありません。用いないほうが良いに決まっていますが…!
しかし、使用してはいませんが、現場の人たちはこの掲示があることを100%認識しており、もしもの際に持っていくことも教育済みです。
入所教育でしっかりと周知していることと、朝礼・ミーティング会場に必ずこのマップがあるからか、浸透率がとても高いです。
毎朝、必ず、このマップが見える位置(安全掲示板の位置)に全員が集まります。
もちろん、このマップだけではなく、様々な情報も付近に掲示しています。
掲示物を見たから安全意識が高まるというものではありませんが、無意識のうちにインプットされる情報となりえる可能性があります。なので、実際の使用はなくても、緊急病院ルートマップは決して無駄ではないと考えています。ちょっとだけですが、現場周辺の道路やお店の情報、地形などもわかりますし、少々は話のネタにも使ってもらうこともあります。
掲示物は見られるために存在しています
この緊急時ルートマップだけではなく、様々な掲示物は見られてなんぼのものです。
そして掲示したものを有効的に見てもらえるような環境づくり。それが監督業を行う私の使命でもあると考えます。
※見るかどうかは個人の判断ですが、その環境構築を監督が放棄してはならない※むしろ、率先して行うべき!
安全、そしてゼロ災は「つくられるもの」です。向こうからやってきてくれるものではありません。何もしなければ、安全を維持することができません。
現場の環境を整える対策も勿論大事ですが、それでも災害は起こるときは起きてしまいます。
ですが、起きた後、どのようにすればよいか。これを末端の作業員まで全員が知っている現場は少ないでしょう。当現場は、最低限、救急車が捕まらなくても被災者を病院まで連れて行くことが、全員可能です。
このような緊急時に対する教育も大事だと考えています。
緊急病院ルートマップひとつで、このように様々な思いをこめていることが少しでも伝われば幸いです。
みなさんの現場でも、建設業に関わらず職場から直近の病院までのルート、確認されてみてはいかがでしょうか。何事も、何か起きてから、では遅いのです。
全産業で、労働災害にあう人がいなくなること。それが私の、このブログの望みでもあります。
そのためにできること、改めて考えていきます。皆様も、一緒に考え、行動して頂ければ幸いです。