1級電気工事施工管理技士の施工経験記述の攻略【解説とヒント多数】
1級電気工事電気工事施工管理技士の実地試験において、必ず記述することになっている「施工経験記述」について、具体的な攻略方法をここで解説します。
なお、1級電気工事施工管理技士の実地試験については、当ブログで別記事にしておりますので、参考にして下さい。
【令和元年】1級電気工事施工管理技士の実地試験の対策【2019年】
令和元年(2019年)10月は、1級電気工事施工管理技士の実地試験が予定されています。例年、学科試験を合格された方の半数以上は実地試験も合格されているようです。ですが、気を抜かず、早いうちから対策しましょう。ここでは過去問を振り返り実地試験の構成や内容を再確認するとともに、試験対策について解説します。
【注意】なお、施工経験記述の内容としては、大きなものとしては「墜落災害又は飛来落下災害・感電災害」と「工程管理・品質管理」の2種類が候補となっています。
この記事の内容
- 施工経験記述:過去問の解析と考え方のヒント
- 最終手段:通信教育を用いた施工体験記述の代行サービス
施工経験記述:過去問の解析と考え方のヒント
工事概要について
施工経験記述のうち、工事概要の書き方は別記事にしているのでこちらを参照してください。
電気工事施工管理技士の施工経験記述問題のうち工事概要の書き方
電気工事施工管理技士の実地試験は、1級・2級問わず施工経験記述問題が重要となります。そこでの作文はもちろんのこと、工事概要(工事名や工期など)をしっかり書くことも重要です。ここでは、その工事概要についての書き方を確認・解説します。
施工経験記述【問1】について
試験本番の前に、過去問の解析を十分に行うことはとても重要です。
ここで試しに、平成25年までの6年分を振り返ってみましょう。
過去問【問1-1】について
墜落災害又は飛来落下災害が発生する危険性があると、あなたが予測した事項とその理由を2項目あげ、これらの労働災害を防止するためにあなたがとった対策を項目ごとに2つ具体的に記述しなさい。
上記の電気工事に限らず、あなたの現場経験において、電気工事に従事する労働者に感電災害が発生する危険性があると、あなたが予測した作業内容とその理由をあげ、あなたがとった対策を具体的に記述しなさい。
上記は、平成30年・平成28年・平成26年で出題されました。
問1-1のバリエーションとしては、もう1種類あります。
施工中に発生した又は発生があると予想した工程管理上の問題とその理由を2つあげ、これらの問題を防止するために、あなたがとった対策を問題ごとに2つ具体的に記述しなさい。
上記の電気工事に限らず、あなたの現場経験において、各作業の施工終了から引渡しまでの間の機材の品質管理に関して、あなたが特に留意した事項とその理由をあげ、あなたがとった対策を具体的に記述しなさい。
これは、平成29年・平成27年・平成25年で出題されました。
なので、この2択を押さえておけば、かなり武器になりますね。
【問1-1】のポイント解説
下記に解説します。ご自身の記述のヒントとなれば幸いです。
墜落災害について
担当工種によっても異なりますが、例えばこのような時、災害が起きやすいのではないでしょうか。
- 開口部付近での作業
- 鉄塔・電柱昇降作業
- 高所車を使用した作業
どれも安全帯を正しく使用していれば、防止できる内容ですね。
安全帯を使用するだけではなく、作業計画の立案やKY活動、リスクアセスメントの実施なども有効的な内容かもですね。
飛来落下災害について
- 高所から工具や資材が落下する
- クレーン吊り荷が落下する
例えば上記の通り。電気設備など、クレーンで吊って据付る事もあるでしょう。
高所車などで作業中、工具や物を落としてしまう事もあるかもしれませんね。
直下に入らないよう立入禁止対策(口頭で支持するだけじゃなく、カラーコーンなどで区画を設けるなど、ハード面の対策をする)を説明するのが良いかもですね。
工具については、落下防止用のセフティロープがありますし、水納(電工バケツ)などで資材落下に努める事も有効ではないでしょうか。
工程管理について
- 機器の搬入・据付・運転開始に関わる遅延のない工程調整
- 同一現場の他工種作業との作業調整
例えば上記の通り。
工程といえば、「遅れないこと」が最重要です。
遅れないために何をしたのか、現場での工夫を書きましょう。
品質管理について
- 電源投入前の電気的・機械的健全性の確認
- 納品機器の破損防止
例えば上記の通り。
電源投入前に、回路の確認をしますよね。電線が接続されているのは当たり前ですが、メガーやテスターで回路抵抗・絶縁抵抗測定はしますよね。
また、元電源の相順(ローテーション)を確認しますよね。
そのようなことを書けば良いかと考えます。
【問1-2】の解説
問1-2は、下記のような設問です。
電気工事に関する次の語句の中から2つを選び、番号と語句を記入のうえ、適正な品質を確保するための方法を、それぞれについて2つ具体的に記述しなさい。
ただし、内容は重複しないこと。
そして、上記の候補として、下記の通り選択候補が出されます。
- 資材の管理【H30】【H28】【H26】
- 電線管の施工【H30】【H28】【H26】
- 機器の取付け【H30】【H28】【H26】
- 盤への電線の接続【H26】
- 電線相互の接続 【H30】【H28】【H26】
- 停電作業【H29】【H25】
- 高圧活線近接作業【H27】【H25】
- 酸素欠乏危険場所での作業【H29】【H27】
- 地下ピット内の作業【H25】
- 掘削作業 【H29】【H25】
- 地山の掘削作業 【H27】
- 高所作業車での作業【H29】【H25】
- 重機での揚重作業【H27】
このように、類似内容が頻出していることがわかります。
こちらも、考え方のヒントとなるようなものを、ワンポイントですが記載します。
資材の管理
- 購入品・支給品の因数を確認し、施工に不備がないことを確認する
- 電線など、有価物の盗難対策をする
電線管の施工
- 電線間の曲げ半径を考慮する
- 管材および通線する電線ケーブルの損傷ない施工をする
- 施工環境に適した材料を選定する(高温箇所等)
機器の取付け
- 機器取付周辺の床面・壁を養生する
- 機器に大きな衝撃を与えないよう対策をする
- 吊り作業時、機器を破損させないよう吊り箇所を考慮する
盤への電線の接続
- 盤内機器の損傷の無いよう注意する
- 端子台には適正電線を接続する
- 隣接設備への損傷がないよう防止する
電線相互の接続
- 適正リングスリーブ・コネクタの剪定をする
停電作業
- 停電範囲を確認する
- 作業前に検電を行う
高圧活線近接作業
- 絶縁保護具を着用する
- 絶縁シートやカバー等で充電箇所を隔離する
- 適正工具を使用する
酸素欠乏危険場所での作業
- 酸素濃度・硫化水素濃度を測定する
- 送風機・換気扇で常に新鮮な空気を取り入れる
地下ピット内の作業
- 酸欠と同様
- 水が溜まっている場合は排水する
掘削作業
- 掘削幅・深さを遵守する
地山の掘削作業
- 掘削方法の選定で、地山の崩壊を防止する
高所作業車での作業
- 高所車旋回時の隣接設備との接触
重機での揚重作業
- 吊り荷が落下する
- 指定吊り位置をメーカーに確認する
- 指定吊り具をメーカーに確認し使用する
例えば上記の通り。
書きすぎました。
確認するのも大変ですね。すみません。
ですが、参考になれば幸いです。
さらに過去問の解析が必要な場合は
過去問集を参照して下さい。10年分も解析すれば十分だと思います。
つまり、問題集1冊を何周かすればOKです。
例えば、下にご紹介するようなテキストがあります。
解説もしっかりついているので、初めて受験される方はどれか1つでも問題集を買うことをお勧めします。
最終手段:通信教育を用いた施工体験記述の代行サービス
必修問題の施工体験記述については、どうしても文章の得意・不得意が影響してしまいます。書くことに自信がない方は、通信講座を使用するのも一つの手です。
少ない時間の中、最大に効率を上げるには、やはりノウハウを知ったものの下で学ぶことかと考えます。
参考に、このようなサイトがありますので、紹介いたします。
このサービスを導入すると、実は必須問題である施工体験記述の悩みから解放されます。「実務に基づく施工体験記述」の代行サービスが存在するからです。あなたの経験をプロが聞き取り、あなたの経験に合った作文が作成されます。あとは、それを覚えればいいだけ。
確実な成果を求めるのであれば、このようなプロを頼るのも手だと考えます。文章を書く練習をしようと言いましたが、ぶっちゃけこのサービスで苦労せず合格への道がぐんと近づきます。
何回も不合格になりそうで不安…という自信のない方は、勉強時間とお金を何年も使い込むよりは、このような便利なサービスを利用した方が、試験費用もそうですが時間を有効に使えて良いことだと思います。試験日は1年間に1回しかなく、学科試験合格の有効期限は、合格した年を含め、2年しかありません。
勿論、選択問題の内容も、しっかりサポートしてくれます。宜しければ、ご検討ください。
1級電気工事施工管理技士 実地試験はあっという間にやってきます。
2019年10月の試験日は、あっという間にやってきます。まだ勉強時間があると思ってさぼっていると、後で痛い目に合うかもしれません。
できることを、できるうちから、早めに着手していきましょう。
実地試験、合格することを願っています。